LOGIN少女は、精いっぱいの力で抱きしめ返してきた。
「……はい。ありがとうございます。……わたし、シャルロッテといいます。」
安心した表情で、震える声ながらも自己紹介をしてきた。
「シャルちゃんかぁー。もう、だいじょうぶだよ。ユウくんは、やさしいからぁ♪」
黙って様子を見ていたミレディが笑顔で、俺とシャルに抱きつくように言った。
「じゃ、そうと決まれば、買い物の続きをするか。」
二人を連れて歩き始める。
だが、歩くシャルの動きにどことなくぎこちなさを感じた。歩調が不自然で、わずかに痛々しさがにじむ。
「どこか、痛むのか?」
「……いいえ。大丈夫です。」
小さな声でそう答えるものの、その様子から我慢しているのは明らかだった。俺は迷うことなく、シャルを抱きかかえる。
シャルの我慢をしている様子が不自然で、嫌な予感がしていた。
「……わぁ、え? だ、だいじょうぶですよぅ。あ、あの……ユウ様の服が汚れちゃいますよ? 重いですよぉっ。」
シャルは慌てたように、顔を赤らめながら遠慮しつつも、どうすればいいのか分からずに戸惑っている。
「ずるいなぁ~……。ユウくん、力持ちだから大丈夫だよっ♪」
ミレディが明るく言葉を重ね、シャルを安心させようとする。
しかし俺は、そのままミレディの手を掴み、歩を速めた。
「え? お買い物……あれぇ?」
ミレディが戸惑うのを聞きながら、俺は二人を連れて近くの警備隊の詰め所へと向かった。
「取調室を借りるぞ!」
そう警備兵に告げると、すぐに鋭い声が返ってきた。
「貴様! 勝手に何を言ってるんだ!」
怒鳴りつける警備兵を無視し、前へ進もうとした瞬間――。
シュッ――
苛立った警備兵が抜剣した。
その音と気配を察したのか、隊長室の扉が勢いよく開く。
「辺境伯閣下!? どういたしましたか!」
先ほどの店に来ていた隊長が飛び出してきた。そして、ユウの姿を確認するや否や、すぐに跪く。
「お前の部屋を使わせてもらうぞ。入室は禁ずるぞ!」
短く言い直し、そのまま隊長室へと入る。
扉を閉め、ゆっくりとシャルを床に降ろした。
静かになった室内で、ミレディとシャルがキョトンとした表情のまま、俺をじっと見つめていた。
「シャル、服を脱げ。」といきなり言われたシャルは動揺した顔をして俯き、素直に服を脱いだ。
「え? ユウ……くん?」驚いた顔をしていたミレディの顔が変わり黙り、俯き悲しそうな顔をした。
シャルの色白な肌に紫色の打撲痕、鞭や棒で叩かれた跡に切り傷があった。さらには骨折したのか、足が少しズレて曲がっていた。
「悪かったな。すぐに気づいてあげられなくて……」と言い、裸のシャルを抱きしめた。ぶるぶると首を横に振るシャル。
『こんな小女に虐待をして、喜んでいたのか……。手放そうともせず、ただストレス発散のためか? 幼い少女が苦しんでる表情を見て興奮でもしているのか? どちらにしても、孤児や奴隷の少女が被害にあうだけで、ここで罰を与えても反省するわけがない。終わらせてやる……。』
ユウの心には、怒りと嫌悪感が渦巻いていた。あの店主が、何の罪もない幼い少女に与えた苦痛を想像すると、胸の奥が熱くなる。単なる罰では、この根深い悪意を根絶することはできない。この場所で、この歪んだ支配を終わらせる。その強い決意が、彼の瞳に宿っていた。
俺はシャルを優しく抱きしめたまま、静かに治癒魔法を発動する。
ふわりと淡い光の粒子が舞い上がり、優しい輝きがシャルの身体全体を包み込んだ。
それはまるで夜空に散る星の輝きのように、穏やかで幻想的な光。微細な粒がゆっくりと波打ち、傷や痛みをやわらかく癒していく。
「……わぁ……きれい……」
シャルは息をのむように、身体を包む魔法の輝きをじっと見つめていた。
やがて、その瞳が驚きに満ちてゆく。
「あれ? 痛みがなくなってる! 体が軽い……あ、ありがとうございます、ユウ様ぁ!」
喜びが溢れた表情のまま、シャルは勢いよく抱きついてきた。
その温もりを感じながら、俺は彼女の背を軽くさすり、落ち着かせるように静かに息を吐く。
――もう、傷は癒えた。
シャルの震える肩も、安心したようにゆるやかに落ち着いていった。
「服を着て、そこにあるソファーに二人で座って待っててくれるか?」
俺の言葉に、ミレディとシャルは静かに頷いた。
そのまま部屋を出ると、隊長が駆け寄ってくる。
「辺境伯閣下!」
しかし俺の顔を見た瞬間、隊長は怯えたように歩みを止めた。
――抑えようとしていた怒りが、抑えきれずに溢れ出す。
空間が歪むような感覚が広がり、どこからともなく ゴォォォ…… という低いうなりが響く。
沈黙が場を支配する。
俺は、冷え冷えとした声で尋ねる。
「先ほど捕らえたヤツらは、どこだ……?」
威圧感と殺気が入り混じった言葉が、詰め所全体に響き渡る。
それは決して大声ではなかった。だが、確実に場を圧倒し、周囲の空気を凍りつかせる。
隊長は喉を鳴らしながら必死に答えた。
「は……地下牢に投獄中です……」
声が震え、息を詰まらせる。
ただの問いにすぎないのに、命を削るかのような返答だった。
「案内を頼む……」
その一言に、警備兵の数人がカギを持ち、慌てて駆け出した。
動きが鈍った兵士たちも、本能的に俺の指示に従わなければと急ぎ足になる。
だが――
下級の兵士は腰が抜け、力なく座り込んだ。
中級の兵士数名と上級兵士は、震えながらも俺の前を歩き、地下へと先導する。
通常なら、一人の案内役がいれば十分なはずだ。カギを開け、囚人を引き出す、それだけで済む仕事。
それなのに、今は――
彼らはこぞって俺の言葉に従い、怯えながらも忠誠心でその身を動かしていた。
本能が告げているのだ。 ここで躊躇すれば、その怒りがどこへ向かうか、分からない。
牢屋に近づくと、荒んだ笑い声や怒鳴り声が響く。
秘密影猫(かげねこ)組織の誕生——情報収集の始まり ——ミレディの成長と誇りの紋章 ミレディは今では、一人で平気で町へ出かけられるほどにまで成長している。かつて彼女は孤児として男に襲われた過去があり、その恐怖からユウに助けられ、保護された。あの出来事をきっかけに、彼に深い信頼と想いを寄せるようになった。 当時のミレディはユウと片時も離れようとせず、トイレに行くときでさえ付き添いを求めたほどだったが、ユウはいつも笑顔で応じていた。 そんな彼女に自信が芽生えたのは、武器を買い、戦闘訓練を積み、仲間と共に川へ向かう途中で獣を討伐し、ユウに褒められたことがきっかけだった。さらに、ユウから贈られた辺境伯の紋章入りペンダントと、同じ紋章が金糸で刺繍されたショートマントも、彼女の背中を力強く押したのだった。 この紋章は国王から正式に授けられたもので、王国の象徴たる黄金の王冠が頂点に輝き、その下には騎士剣と両手剣が交差する。「王国の守護者」としての武勇と戦略の均衡を示し、交差点には魔物討伐の象徴たる燃え上がる炎が刻まれる。背後には領地を囲む森の影が深緑で描かれ、王国の境界を守り、魔物の脅威と対峙する宿命を象徴する。剣の下部には鋼鉄の盾が据えられ、王国の紋章が刻まれる。これは「王国の最後の砦」としての役割、辺境伯の忠誠と防衛の責務を誇示するものだ。盾の周囲に彫り込まれた城壁の意匠は、王都へと続く唯一の安全な道を守る者であることを示す。 紋章全体は鋭角的な構成で、整然とした威厳あるデザインだ。王家より授けられたこの紋章は、単なる貴族の印ではなく、「魔物討伐と王国防衛を担う者」という誇り高き使命を刻み込んだ象徴なのである。 この紋章のおかげで、ミレディが町で絡まれたり、意地悪されることはなくなった。声を掛けてくるのは警備兵や衛兵くらいだ。さらに、ユウに連れられ買い物をしていたことで、町の人に顔を覚えられている。誘拐や襲撃の恐れがあるため護衛はつくものの、ミレディは自由に街を行動できる。彼女自身も、町で襲われそうになった際にナイフを使い瞬時に撃退し、その強さを知らしめていた。 —&mda
シャルの小さな胸を触りながら、抱きしめて上半身を起こした。片手は乳首を弄り、もう片手で柔らかな腹を撫でる。腰を小刻みに動かし、中をかき混ぜるような動きをした。その刺激に、シャルの喘ぎ声はさらに甘く、乱れていく。「んぅぅん……♡ あぁ……ん♡ あ、あ、あぁ……ん♡ や、だ、だめぇ……あぁ……ん♡」 シャルの瞳は完全にトロけて焦点が定まらず、口元は僅かに開き、甘い吐息が漏れる。身体は快感に打ち震え、膝をガクガクと震わせ、今にも崩れ落ちそうだ。その腟内が、きゅぅぅと俺を締め付けてくるとぷしゃ……ぷしゃぁぁ♡と腰をビックンっ♡ ビックンっ♡と動かし、快感に身を震わせながら潮を吹き出した。「あぅ……♡ ユウ様ぁ……で、出ちゃいましたぁ……ううぅ」 絶頂の余韻に、小さな体をひくっひくっと震わせるシャル。その顔は恍惚としながらも、どこか呆然としていた。 俺も射精をして、振り向くシャルの唇に夢中でキスを始めた。「んぅ……はぁ、はぁ♡ んぅ……♡」 シャルも夢中でキスを返してきた。互いの唇が熱く、喘ぎと混じり合ったキスは、二人の絆をさらに深く結びつけるようだった。 夢中でキスをしてくるシャルを抱きかかえ、俺はソファーへと向かった。「はわっ、どちらへ?」 急に抱きかかえられたシャルが、目を丸くして驚いた顔で聞いてきた。その小さな手が、思わず俺のシャツをぎゅっと掴む。「ソファーで、ゆっくりと続けようかと……」「そうですか……もう、終わりだと……思いました」 顔を真っ赤にしたシャルが、恥ずかしそうに、しかしどこか名残惜しそうに言った。そんな可愛らしい姿を見て、シャルの頬に頬ずりをした。
俯き、顔を真っ赤にして必死に甘えているのが伝わってくる。普段は、絶対にこんなことを言わないシャルだからこそ、その姿に胸が締め付けられる。向かい合わせで抱っこして、シャルの唇に吸い付いた。「んぅ……ん、ん、んんぅ……♡ はぁ♡ はぁ……はむっ♡」 お互いの口の周りが、お互いの唾液で濡れる。その生々しい感覚が、さらに俺の理性を揺さぶった。「ユウ様、涎が……ぺろっ♡ ぺろっ♡ ひゃ……あ、くすぐったい……」 シャルが俺の口元を舐めとると、その舌の感触に思わず身体が震えた。「シャルも口の周り、涎が……ぺろっ、ぺろっ♡」 俺もシャルの口元を舐めると、彼女はえへへと愛らしい笑顔を見せた。「えへへ♪ ありがとうございます……きれいになりました?」 こんな笑い方も普段しないよな……「ふふ……」「うふふ……」とかだよな。その無邪気な笑い方に、俺の心は温かくなった。「どうしたんだ? 今日は、可愛すぎだな……そういう表情とか口調、可愛いな」「……ですね、普段は……しませんよ。恥ずかしいですし……ユウ様の前だけですよ。……特別なのです」 シャルは少し照れながらも、真っ直ぐな瞳で俺を見つめてくる。その言葉と表情が、俺にとってどれほど嬉しいか。「そっか。それは、嬉しいな。他のやつには見せるなよな。もっと特別扱いしてくれていいぞ」「してる……わたしの肌を触っていますし……エッチなことしてる……キスも……特別ですよ? 夫婦ですし。他
「シャル、今日は、なにするんだ?」 俺は自らキッチンに立ち料理を始めていた。「はい? えっとですね……今日は……お肉を炒めようかと。お好きですよね?」 シャルの声は、いつものように穏やかで、俺の好みについて純粋な問いかけを返してきた。しかし、そのわずかな間、彼女の大きな瞳は俺の表情をじっと見つめ、何かを探るように揺れている。まるで、俺の言葉の裏にある本当の意図を測ろうとしているかのようだ。 そういう事を聞いているんじゃないんだけどな、と内心で苦笑する。俺が聞きたいのは、今日のシャルの予定や、この小屋での過ごし方だったのに。 今日のシャルは、膝上丈の軽いスカートが付いたショートパンツに、シンプルなエプロン姿だ。その丈が短いから、すらりと伸びた可愛らしい太ももが露わになっている。エプロンの紐は背中でキュッと結ばれていて、華奢なウエストが強調されていた。 フライパンを手に持ち、くるりとこちらを振り返る。その仕草一つでエプロンの裾がひらりと舞い、柔らかな金色の髪がふわりと揺れる。その全てが、まるで朝の光の中で舞い踊る蝶のように、お淑やかで、それでいて愛らしい。時折、フライパンの向こうからちらりと見える上目遣いや、小さく首を傾げる仕草は、俺の視線を釘付けにした。その純粋な可愛らしさに、俺の心臓はトクンと穏やかなリズムを刻む。このまま時間が止まればいいと、そんな甘い錯覚に囚われるほどだった。その全てが、ただただ可愛すぎる。それも、踏み台って…… シャルがフライパンを揺らし、トントンと小気味よい音を立てて料理に集中している隙に、俺はいたずら心でそっと忍び寄った。そのまま床に寝転がり、彼女のショートパンツの中を覗き込む。 ショートパンツの裾から見えたのは、純白の柔らかなレース。それが肌にぴったりと吸い付くように沿い、雪のように白い太ももの付け根を愛らしく縁取っている。さらに奥を覗き込めば、レースの向こうに透けて見えるのは、薄い桃色に染まった、愛液でしっとりと光る秘裂。その中心には、小さな陰核がぷっくりと膨らみ、微かにピクピクと脈打っているのが見て取れた。シャルが動くた
王は微かに笑みを浮かべ、満足げに頷いた。「そうか。ならば、ユウ殿に任せておけば問題あるまい。伯爵領もユウ殿に統治を一任する。問題あるまい。」 その瞬間、決断は現実となる。 シャルは伯爵としての立場を維持しながらも、領地の統治、運営をユウへ託すことで、自らの望む道を歩むことを選んだのだ。 ユウと共に過ごす生活は変わらない。 しかし、これまでとは違い、彼女の名前は領地の主として刻まれることになる。 彼女の人生が大きく動いた瞬間だった。 広間に響く王の声は、揺るぎない威厳を帯びていた。「ユウが領地経営を担う。」 その言葉が放たれた瞬間、貴族たちの間にざわめきが広がる。 誰もが王の決断に驚きながらも、異を唱えることはできない。 王は続ける。「この領地の統治は、ユウ殿に一任される。これ以上の議論は不要——正式な布告とする。」 重い宣言が広間に響く。 これで決定だ。ユウの立場は確固たるものとなり、誰もがその権威を認めざるを得なくなった。 ユウのそばにいたシャルは、申し訳なさそうに視線を落とす。 そして、ほんの少し頬を赤らめながら、静かに呟いた。「……ご迷惑をおかけします。ユウ様。」 その言葉とともに、彼女はほんの少し甘えるようにユウを見上げる。 ユウは肩をすくめる。「別に気にしてないさ。」 王はその様子を微笑ましそうに見ていた。 シャルが、ただの伯爵ではなく「ひとりの少女」としてユウを慕っていることを、王は理解している。 その場の空気が穏やかになりかけた——その瞬間。「国王陛下の前で……やはり奴隷は常識がないですな……。」 低く響いた呟き。 瞬間、広間の空気が凍りついた。 ユウの表情が僅かに歪む。 視線を向ける。ただそれだけで、侮辱を口にした貴族は息を詰まらせる。 し
その瞬間、貴族たちの間に動揺が走った。「……いえ、陛下ですぞ!? なにを言っていらっしゃるのですか!?」 一人の家臣が慌てた声をあげる。しかし、その言葉を遮るように——「任せるということは、そういうことだ!」 王が家臣へと鋭い視線を向けた。「貴様に任せると言って、わしが横から指示をする。それが領主にとってどれほど不快か、分からぬか? それを任せるとは言わん!」 王の言葉は広間全体に響き渡った。誰も口を開けない。 そして、王の目が細まり、次の言葉が落ちる。「……元貴族の娘……そうか。戦でのぅ……そして奴隷か……。」 語調が変わる。どこか冷たさを帯びた声だった。「不正に財産を奪い、娘の保護すらせず、奴隷商に売り払う——それが貴族のすることか?」 ざわめきが消えた。広間は沈黙に包まれ、誰もが王の表情をじっと見つめていた。「直ちに調査し、その者たちを捕らえよ! わしが、直接裁きを下す。」 鋭い命令が発せられ、部屋の空気が一変する。 衛兵たちの動きが固まり、場の緊張が高まる。「人の心があるとは思えん……もはや、その貴族は人ではない……。」 冷たい言葉が容赦なく告げられる。「ならば、ワシも人とは扱わぬ。」 言葉の重みが空間に染み渡る。「全財産の没収、貴族位の剥奪――……奴隷とする! 異議は認めん。」 この場で、それは決定された。 その貴族だった者は、もはや貴族ではない。もはや人としての地位も剥奪され、人とは扱われぬただの存在へと落とされた。 裁きの場は静まり返り、重い決断の余韻が漂う。 この宣告は、王国内に大きな影響を及ぼすことになる――。